※ 2023年度以前に入学した学生に適用される学位授与方針(ディプロマポリシー)です。

メカトロニクス工学科では、産業・民生用ロボットなどの電子機械製品の開発において、機械系、電気系、情報系技術者による協働開発への従事のみならず、ニーズを理解した上で機械・電気・情報の知識・技術を利用、活用して問題解決できる能力を有する人材の育成を図ることを理念としています。このため、全学的に定められた教養と汎用能力に加えて、以下の専門知識・スキルを身につけた学生に学位を授与します。

メカトロニクス工学科卒業生が備えるべき専門知識・スキル

※下記において、三分野とは、機械分野、電気分野、情報分野を示す。

  1. 技術者・研究者にとって必要な数学と物理の基礎知識
    • 数学の基礎的事項(微分積分、線形代数、確率統計、フーリエ変換など)の理論と活用方法を説明でき、それらを使った計算ができる。
    • 物理の基礎的事項(力学、電磁気学、波動、熱力学)の理論と活用方法を説明でき、それらを使った計算ができる。
  2. 三分野での活躍を目指す技術者・研究者にとって必要な基礎知識と技術
    • CADを使って、JISに基づく機械製図が書け、それに従って基本的な工作機械を使った簡単な加工品が製作できる。
    • 基本的な電気回路の動作を理解したうえで、回路図の読み書きと、それに基づく電子回路の製作ができる。
    • C言語による基本的(データ型、制御構造、関数等)なプログラムが作成でき、組込み用マイコンの基本的なI/O制御プログラムをマイコンの概要と動作の理解の上で作成できる。
    • 一次及び二次遅れ系の伝達関数とボード線図を求めることができ、それらに基づきPID制御などの基本制御系の設計ができる。
  3. 三分野のうち、一つ以上のより専門的な技術と知識
    少なくとも一分野の技術と知識を十分に身につけ、さらに一つ以上の分野の技術と知識も身につける。
    1. 機械分野
      ・材料の性質を理解した上で、設計に適した材料やその加工法が選択でき、機器の設計をすることができる。
      ・機械要素や機構の動作を理解した上で、設計に適した機能を有する機械要素および機構を選択でき、それらを組み合わせた機器の設計をすることができる。
    2. 電気分野
      ・線形素子、基本的な電子デバイスからなる回路の動作原理・特性を説明し、それらの素子を使った回路を設計できる。
      ・デジタル信号処理技術をもとにしてデジタル形式で表現された信号を処理することができる。
      ・論理回路、順序回路の解析・設計ができる。
      ・動的変数、再帰関数などを用いた線形リスト、木構造、ソートのプログラムが書ける。
    3. 情報分野
      ・論理回路、順序回路の解析・設計ができる。
      ・動的変数、再帰関数などを用いた線形リスト、木構造、ソートのプログラムが書ける。
      ・コンピュータのアーキテクチャ(構成様式)と動作原理が説明できる。
      ・組込みシステムにおいて、ソフトウェアを開発することができる。
  4. 三分野の知識を利用した分野をまたがった活用
    • 三分野を横断した考え方をもとにした議論の上で、結果を導き出すことができる。
    • アーキテクチャ、ハードウェア、プログラミング、電気信号、電子回路、センサ、アクチュエータ、機構、材料、等の関連性を考慮した上、総合的な設計をして製作ができる。
    • 研究・開発の目的を十分理解した上で、その目的に応える問題解決ができる。
  5. 研究・開発工程を把握・設計できる基礎技術と、研究・開発遂行に必要なコミュニケーション能力の習得
    • 異なる技術分野をコアとする技術者とともに、目的の共有と課題の把握ができ、その解決方法について議論できる。
    • 課題を解決するための提案、デザイン、手順を含む構成要素を議論でき、それに基づいて実行できる。

学位授与方針と授業の対応表

学位授与方針(ディプロマポリシー)とメカトロニクス工学科で開講している授業科目との関係は以下の表で確認できます。

分類 サブ分類 項目 科目名
(1) 技術者・研究者にとって必要な数学と物理の基礎知識 1 数学の基礎的事項(微分積分、線形代数、確率統計、フーリエ変換など)の理論と活用方法を説明でき、それらを使った計算ができる。 解析学, 微分方程式, 情報理論, 科学の作法, 数値計算
2 物理の基礎的事項(力学、電磁気学、波動、熱力学)の理論と活用方法を説明でき、それらを使った計算ができる。 基礎物理学Ⅰ, 基礎物理学Ⅱ, 基礎物理学Ⅲ, 物理学実験, 流れの科学, 計測とセンサ
(2) 三分野での活躍を目指す技術者・研究者にとって必要な基礎知識と技術 3 CADを使って、JISに基づく機械製図が書け、それに従って基本的な工作機械を使った簡単な加工品が製作できる。 メカトロニクス工学実習Ⅰ, メカトロニクス製図
4 基本的な電気回路の動作を理解したうえで、回路図の読み書きと、それに基づく電子回路の製作ができる。 メカトロニクス工学実習Ⅱ, メカトロニクス工学実践
5 C言語による基本的(データ型、制御構造、関数等)なプログラムが作成でき、組込み用マイコンの基本的なI/O制御プログラムをマイコンの概要と動作の理解の上で作成できる。 プログラミング入門, 組込みプログラミングⅠ演習
6 一次及び二次遅れ系の伝達関数とボード線図を求めることができ、それらに基づきPID制御などの基本制御系の設計ができる。 システム制御工学, システム制御工学演習
(3) 三分野のうち、一つ以上のより専門的な技術と知識。少なくとも一分野の技術と知識を十 1.機械分野 7 材料の性質を理解した上で、設計に適した材料やその加工法が選択でき、機器の設計をすることができる。 材料と力学Ⅰ, 材料と力学Ⅱ, 機械加工学
8 機械要素や機構の動作を理解した上で、設計に適した機能を有する機械要素および機構を選択でき、それらを組み合わせた機器の設計をすることができる。 運動の力学Ⅰ演習, 機械要素Ⅰ, 運動の力学Ⅰ, 機械要素Ⅱ, 運動の力学Ⅱ
2.電気分野 9 線形素子、基本的な電子デバイスからなる回路の動作原理・特性を説明し、それらの素子を使った回路を設計できる。 アナログ回路Ⅰ, アナログ回路Ⅱ, デバイス工学
10 デジタル信号処理技術をもとにしてデジタル形式で表現された信号を処理することができる。 信号とシステム, 信号とシステム演習
11 論理回路、順序回路の解析・設計ができる。 デジタル回路Ⅰ, 組込み設計演習
12 動的変数、再帰関数などを用いた線形リスト、木構造、ソートのプログラムが書ける。 組込みプログラミングⅠ, 組込みプログラミングⅡ
3.情報分野 13 論理回路、順序回路の解析・設計ができる。 デジタル回路Ⅰ
14 動的変数、再帰関数などを用いた線形リスト、木構造、ソートのプログラムが書ける。 組込みプログラミングⅠ, 組込みプログラミングⅠ演習, 組込みプログラミングⅡ
15 コンピュータのアーキテクチャ(構成様式)と動作原理が説明できる。 情報処理及び実習, 組込みアーキテクチャ, デジタル回路Ⅱ, コンピュータ制御
16 組込みシステムにおいて、ソフトウェアを開発することができる。 組込みソフトウェア構成法, 組込み設計, システム設計
(4) 三分野の知識を利用した分野をまたがった活用 17 三分野を横断した考え方をもとにした議論の上で、結果を導き出すことができる。 メカトロニクス工学実験Ⅱ
18 アーキテクチャ、ハードウェア、プログラミング、電気信号、電子回路、センサ、アクチュエータ、機構、材料、等の関連性を考慮した上、総合的な設計をして製作ができる。 メカトロニクス工学実習Ⅲ, メカトロニクス工学実験Ⅰ
19 研究・開発の目的を十分理解した上で、その目的に応える問題解決ができる。 メカトロニクス工学演習
(5) 研究・開発工程を把握・設計できる基礎技術と、研究・開発遂行に必要なコミュニケー 20 異なる技術分野をコアとする技術者とともに、目的の共有と課題の把握ができ、その解決方法について議論できる。 コミュニケーション, 基礎化学, 技術者倫理, 品質管理・安全
21 課題を解決するための提案、デザイン、手順を含む構成要素を議論でき、それに基づいて実行できる。 科学技術英語, マルチメディア工学, メカトロニクス工学卒業論文